桜甫のマル秘テクニック(料理の基本用語)

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「コンソメとブイヨンの違い」
家庭で洋食を作る時に欠かせないのがスープですが、
家庭用にはコンソメとかかれていたり、ブイヨンとかかれていて、迷いますね。
「ブイヨン」は鶏、牛などの肉類や魚に香味野菜を加えて作っただし汁のことで、
「コンソメ」は、ブイヨンに卵白を加えて脂やアクを取り除いたものなのですが、
市販の洋食スープははっきりとした違いがありませんね。
製品の中には「コンソメブイヨン」と表記されているものまであって、
ますますわかりにくいですが、そういう時にはあまり神経質にならず、
どちらも洋風スープだと受け止めて、好みの合う方をお使いになると
良いでしょう。

「リゾットと雑炊の違いは?」
形状的にはよく似ていますが、まずリゾットは洋食、雑炊は和食。
厳密に言うと、イタリア料理のリゾットは生米から作ります。
玉ねぎのみじん切りをオリーブオイルかバターで炒め、生米を入れて
更に炒めて、好みの具を入れ、スープを入れて煮込みます。
出来上がりには、お米の「アルデンテ」が大切。
雑炊は鍋のあとや煮汁に好みの具を足したりして、ご飯を加えて煮ます。
雑炊は増水と昔表記していたほどですから、たっぷりの煮汁でご飯を煮ます。
煮汁をあまり増やさずに作ると関西で言う「おじや」になります。
どちらもお米のアルデンテはなく、ふっくらと仕上げます。

「さいの目切り」
さいの目切りのさいの目はサイコロの目のこと。
漢字表記すると「賽の目」とか「采の目」とか「細の目」です。
サイコロの目ですから、正六面体に切ることなんですが、
大根や人参、じゃが芋、ナスなど、以外と賽の目に切る素材は多いのです。

大根で説明しますと、まずは1cm角の棒状に切り、
(これを拍子木切りと言います)
それを更に1cm長さに切ると正六面体、つまりは賽の目切りになります。
ミックス野菜の冷凍品はたしか、人参やじゃが芋が賽の目切りに
なっていましたね^^!

「面取り」
面取りのほとんどは煮物を作るのにグラグラ煮ていると切り口の端が
煮崩れてしまうので、面を取ると言いながら、角を取ることです。
元々は建築資材の角を削って面をなめらかにすることから来た言葉で、
南瓜や芋類、大根、かぶなどの切り口をなめらかにしますが、
私は面取りをせずにコトコトと煮崩れない程度の煮方をします。
この方が材料が無駄にならなくて、手間も省けますからね。

面取りにはいくつか方法があり、
角切りにした食材の角全部を取るのを「八方面取り」、
輪切りにした食材の角を両面取るのを「両面取り」、
片方だけを取る場合は「片面取り」 と言います。


「塩ひとつまみと塩少々の違い」
料理レシピには塩ひとつまみと塩少々という言葉はしょっちゅう使われていますね。
塩ひとつまみというのは、大体親指、人差し指、中指の3本でつまめる量を言います。
男性の指と女性の指では太さがずいぶんと違いますが、昔は料理は男性がするもの、
その料理専門家が作った本ですから、男性の指が基準、指の細い女性の
場合は1.5倍〜2倍必要でしょうか?
それに比べて、塩少々というのは、実はひとつまみよりは少なくて
親指と人差し指2本でつまめる量を少々と言います。
ただし、これはね、食材によって、料理によってぜんぜん違いますからね、
お味見する舌が感じるものを信じた方が良いでしょう。

ちなみに、親指〜薬指までの4本で掴むと小さじ1
五本指で掴むと大さじ約2杯分と言われていますから、
一度、ご自身の指と計量スプーンの量を比べておかれると良いでしょう!

「油抜きと油通しの違い」
言葉は似ていますが、方法はまったく違っています。
油抜き というのは、この文字の通り、油を抜くということで、油揚げに代表される
揚げた状態で売られているものをそのまま調理すると付いている油が
味のしみ方を悪くしてしまうので、ザルに素材をのせて上から熱湯をまんべんなくかけて、
表面の油を落とす方法。
一方、油通しは、一般的には中華料理に多い手法ですが、下味をつけた野菜や肉などを
油でサッと揚げて余分な水分を飛ばしたり、色鮮やかにするのに使われますから、
油通しで加熱を最後までするというのではなく、油通しは1つのプロセス。
その後で、炒めたり煮たりしますので、中は生の状態といえばわかりやすいでしょうか?
どちらも、下拵えとしては重要な手法ですから、手を抜かないで下さいね^^v

 


「マグロや鰹などのお刺身のサクって何?」
サクを感じで書くと「冊」という字です。
スーパーや魚屋さんで、お刺身を一口大に切らず、塊で売っていますね、
それがサクです。
一匹の魚を下ろして、特に大型の魚を刺身などの調理がしやすいように
形や大きさを揃えるのを「サク取り」と言い、サク取りした魚の身を「サク」と呼びます。
魚はうろこを取ったらすぐに鮮度が落ちます。骨を抜いて、皮を引けば、
また、鮮度が落ちます。 それを更に小さく切り分けると更に鮮度が落ちます。
そこで、サクに切ると少し鮮度が保てるのです。
ちなみにお刺身の切り方は赤身の魚は身が柔らかいので、大きめに厚めに切り、
白身魚は身がしまっているので、薄めに切ります。
どちらも、食べる直前に切った方が、切っておくよりもはるかに美味しく出来ますよ!

「中落ちって半分腐った魚?」
そんな風に聞かれたことがあります。 中落ちとは腐ってはいません、
むしろ、腐りやすいですから鮮度が良いとも考えられます。
魚を三枚に下ろすと、2枚の肉と骨になりますね、この骨に少しだけ身が付いていますね、
それが「中落ち」です。
特に、マグロの中落ちは絶品で、スプーンでこそげて、「ネギトロ」の具としてや
お刺身として別売されるほどですね。
通常の魚の中落ちといえば、「アラ」として、だしを取ったり、大型の魚ですと
煮物に使ったりもしますが、アラという表現はそもそも役に立たないという意味があり、
欠点や悪いところを探すアラ探しも同じ表現からなのですが、
ぶり大根に使うぶりのアラやかぶと煮やかぶと焼きなどにもされる鯛など、
欠点や悪いところではなく、希少な味わいを出してくれますから、
そう考えると、アラ探しは悪い所を探すというよりも、美味しいところを探す、
旨味を探す→良い所を探す と考えられるかもしれませんね^^v



「かつらむき」

かつらむきと言えば、頭にかぶる鬘を連想されてしまうかもしれません、
だって、ネギを細く切る白髪ネギ、または白髪という言い方は
よく耳にしますから、白髪があるならかつらも、、、なんてね。
料理用語で言うかつらむきは「桂」です。
大根、独活、人参、キュウリなど長い棒状の野菜を薄く帯状に
むいていく技法というか飾り切りのこと。

かつらむきにしたものは何に使われるかというと
一番馴染みのあるものはお刺身のツマでしょうか。
かつらむきにした大根を丸めて、細切りにしたものですが、
人参はツマとしての彩りのようにも使われますね。
一般家庭の料理ではマスターする必要はないように思われていますが、
ツマを食べる人はあまりいないのかもしれませんが、
何時間前に切ったのかわからないツマと、お刺身を盛りつける時に
切ったツマでは、まったくお味が違うので、包丁使いの練習だと思って、
是非、ご家庭では作りたてを盛り付けてくださいな。

「ゴボウのささがき」
ささがきというのはずばり、笹の葉の形に切ることからついた名前です。
長細い野菜を鉛筆を削るかのように削っていくのですが、
最近では、鉛筆を削ったことのないという人の方が多いから、
ちょ〜っと難しい切り方かもしれませんね。
きんぴらごぼうや炊き込みご飯を作る時に、ゴボウを笹がきにする事が
多いのですが、最近では千切りで作られたものも多く、
盛りつけた時にあまり美味しそうに見えませんね。

ゴボウの薄皮をたわしなどでそぎ、太い方から切り込みを数本入れて、
包丁を斜めに滑らして切っていきます。
包丁で1切りしたら少しゴボウを回して、また切り、また回してという風に
慣れてきたら均等な形に削ぐことが出来るようになります。

ゴボウはとてもアクの強い野菜ですから、笹がきにしたものは
水を張ったボウルに入れていくようにし、アクで水が褐色になってきたら
水を変えて、1本を笹がくまでに1〜2回、水を変えないと、
アク戻りといって、折角アクの抜けたゴボウにアクが戻ってしまい、
アク戻りしたアクは水を変えても戻りませんから、要注意です。



「二杯酢と三杯酢」
二杯酢というのは単純には酢と醤油を1杯ずつ合わせたもの、
三杯酢は酢、酒、醤油をそれぞれ1杯ずつ合わせたもの、
なんですが、これはあくまでも単なる目安で、素材や料理によって、
醤油の代わりに塩、酒の代わりにみりんや砂糖、だしを使ったりして
調節をします。
簡単に言うと、二杯酢は甘くなく、三杯酢は少し甘味が入るというのが、
最近ではわかりやすいでしょうか。
酢は醸造酢、穀物酢、米酢、純米酢、黒酢、玄米酢など色々な種類があり、
風味も酸味も違いますから、調理するものによって選びましょう。

「みりんとみりん風調味料の違い」
みりんは調理のものに甘味をつけたり、照りをつけたりする時に使います。
しっかりとする甘味をつけたい時は砂糖でも良いのですが、
ほんのりとした甘味をつけたい時にはみりんがおススメです。
みりんは蒸したもち米と米麹にアルコールを加えて熟成させたもので、
アルコール度数は14%前後。
みりん風調味料は水飴や米、ブドウ糖、塩などを調合したもので、
アルコール度数は1%未満。
みりんには塩が入りませんから風味よく仕上がりますが、みりん風
調味料は塩が入っていますから、みりん同様の使い方では
味が濃くなってしまいます。
それにしてもみりんとみりん風調味料、スーパーなどの棚では
一緒に並んでいて、紛らわしいですね。
なぜ、みりん風調味料が出来たかというと、みりんはアルコール度数が
高いため以前はスーパーでは販売出来なかったのです。
で、スーパーでも売ることが出来るみりんということで、アルコール度数が
低いみりん風調味料が誕生したのです。
みりんはアルコール度数が高いだけに、煮魚などの臭みも一緒に飛ばしやすく
また、表面に美味しそうな照りを付けられますから、
風調味料よりも上品な仕上がりが期待出来ますね!
荒技ですが、とっさにみりんがない時は、酒と砂糖でなんとか〜^^;


「キュウリの板ズリ」
  キュウリの板ズリは本来はまな板の上に塩を多めにふり、
  その上にキュウリを置いて、手の平で押さえてゴロゴロと転がして、
  キュウリの表面に傷を付けて、緑色を鮮やかにし、下味を付ける目的で
  するものですが、他にはフキやうどなどにもすることがあります。
  まな板の上でするので、『板ズリ』というのですが、塩がたくさん必要で、
  しかもまな板も汚れてしまいます。
  で、桜甫流は天然塩を手に付けてキュウリを持ち、両手でしごけば
  板ズリと同じ状況になります。 しかも天然塩ですから、ミネラル成分で
  掌が滑らかになり、しっとりとしますからお試しを!

「あて塩って、どこに当てる塩のこと?」
  あて塩は当てることではなくって、ふり塩のことです。
  日本料理ではフルやスルはあまり縁起の良い言葉ではないとされ、
  代わりに「当たる」という言葉を代用します。
  すり鉢、すりこ木→当たり鉢、当たり棒 という言い方です。
  で、あて塩はふり塩の事ですが、尺塩の仕方と同じで、
  塩をひと掴み持って、かける素材から1尺(30cmほど)上の方から、
  掌を上に向けて、手首から左右振るような感じで、満遍なく塩をふることです。
  このやり方ですと、固まって落ちることがないので、失敗なくふることが出来ます。



「肉の筋切り」

肉の筋ってなんですか、筋は切らないとダメですか、などとよく聞かれるのですが、
鶏肉ではササミに白銀の筋がついていますよね、これを取ることは切るではなくて、
筋を包丁で引いて取るので、「筋を引く」と言いますが、
豚肉の脂肪と赤身との間にある筋を包丁の先を使って
「筋切り」といって、4〜5箇所寸断します。
筋というのは加熱によって筋肉をひっぱって硬くなってしまうので、
変形したり、均等に火が通らなくなってしまって、食感も悪くなりますから、
取り除いたり、切ったりして、下拵えをすることです。

「しばらくつけておく」のしばらくってどのくらい?
レシピには確かによく使う言葉ですね。 
大体は「塩、胡椒してしばらく置く」とか、「酒に漬けてしばらく置く」という感じですよね。
しばらくというくらいですから、3〜4分〜15分前後、長くても30分程度でしょうか。
だったら最初から、分数を書いてよ、と言われそうですね。
ごもっとも!! ですが、材料の切り方の大きさや気温などによっても変わってくるので、
しばらく になってしまうのですが、時々、レシピの中にヒントがあります。
たとえば、「白っぽくなるまで、しばらく置く」とか、「水気が出るまで、しばらく置く」など。
とはいえ、わかりにくいという事がよくわかりましたので、これから、なるべく分数を
レシピに入れるようにしますね!

<下ごしらえ編>

「野菜を繊維に沿って切るって?」
 料理の本ではよく繊維に沿って切るという表現が使われていますね、
 繊維がどっちに向いているかがわからない との問い合わせがありました。
 通常の野菜ですと葉から根に向かっての縦方向に繊維が向かっているので、
 縦に切ると繊維に沿っていることになります。
 大根や人参などはわかりやすいですが、わかりにくいのは生姜。
 表皮に対して直角に切ると繊維を横に切っているいて、表皮に沿って切ると
 縦に切っていることになります。縦に切っている時はとても滑らかに包丁が切れることでも
 わかります。
 野菜を縦に切ると加熱してからも、歯ざわりの良い状態になりますが、
 横に切ると砕けたりすることもありますが、柔らかく仕上げられます。
 食べる人の年齢や料理によっても切り分けられるのが料理上達者です。

「血合いとは血の塊のこと?」
 確かに血合いには血液の成分が多いのですが、血の塊ではありません。
 白身の魚ですとわかりにくいのですが、青背の魚(ぶり、サバ、カツオ、イワシなど)では
 しっかりと大きくて色に赤いので目立ちます。 
 少々生臭いのですが、血合いにはコレステロールの代謝を促進したり、肝臓を
 強化することで注目されているタウリンが豊富に含まれ、ビタミンEも含まれていますから
 血行がよくなることで美肌や肩こり解消に役立ったりしますし、なんといっても鉄が豊富で
 貧血の予防にもなります。 たくさん食べられるものではありませんが、捨てるには惜しい
 栄養豊富な部位です。
 積極的に召し上がって下さいね。

「皮をこそげる」
こそげると剥くはちょっと違って、こそげるはこすり落とすという状態。 包丁の背や硬いたわしなどを使って、ごぼうや人参、生姜などの薄皮をこすり落とします。 勿論、魚のうろこもこそげ落とすという表現を使っても間違いではありません。 こそげ落とすことでごぼうや人参、生姜などの持つ皮のすぐ内側に多く含まれている栄養を 無駄にせずにすみますね。


「隠し包丁」と「飾り包丁」
まさか隠し包丁を目の届かない所に隠すことなんて考えている人はいないと思いますが、勿論、飾り包丁は派手に包丁を飾るということでもありません、念のため。
隠し包丁というのは、包丁で目立たないように材料に切れ目を入れて火を通しやすくしたり、調味料がしみこみやすいようにするもので、盛り付けた時に表から見えないところに入れます。
野菜の煮物のほかには、魚の姿焼きの時にも盛り付ける裏側の腹と背びれの下、中央付近などに入れておきます。
飾り包丁は隠し包丁の反対で、盛り付けた時に表側になり、見た目をよくする意味も加わります。
椎茸の傘の上に3本の包丁目をクロスさせた飾りや魚の身の熱いところに×を入れて加熱するのも飾り包丁です。


「千六本」と「千切り」って、同じ切り方?
 千六本も千切りも切り方としては、どちらも同じとも言えますが、厳密に言うと違っているのです。
 えっ? 千六本の方が6本多いから、細い?
 答えはNO!
 実はね、千六本の方が千切りよりも太いのです。
 大きさから言うと、千切りは線切りとも繊切りとも言われますので細い、  千六本は実は、マッチ棒状の太さに切ることなんです。
 それじゃぁ、紛らわしいから、千六本なんて言わずにマッチ棒状切りって言えば良いのにね〜って、思うわね?
 千六本は日本語で書くと数字になってしまいますが、中国語の「シュンロウプ」という細い大根を意味する言葉が由来となっています。
 シュンロウプがシュンロフ→センロフとなって、千六本となったという訳です。
 ということで、千六本という言葉は大根にしか使ってはいけない言葉なんですね。


「生姜1カケのひとかけってどのくらい?」
 生姜には「芽生姜」「葉生姜」「根生姜」とありますが、(春の新生姜は種類ではなくて、新しい根生姜という意、間違えないでね^^;)
 1カケという言葉を使うのは根生姜です。いくつかのコブで出来ている生姜ですから、パキッと折れた1つが1カケなのですが、
 大きさがまちまちです。そこで、親指の先〜第一関節までの大きさと考えて下さい。
 でも、女性と男性では大きさがあまりに違いますね。
 そこで、昔の料理人は男性だけ(女性は厨房に入ってはいけませんでした)ですから、
 男性の平均的な親指の先から第一関節の大きさを1カケということになります。
 少々多くても少なくても、あまり料理には響きませんから、手の小さい方、指の細い方は
 一度、成人男性の親指第一関節をチェックしておく程度で良いでしょう。



「乱切り」
 みだれ切りではなくて、らんぎりと読みます。
 むちゃくちゃに切るという意味ではなくて、不規則な形、不ぞろいな形のものを
 加熱ムラが起きないように、大体同じ大きさ(体積)になるように切ることを言います。
 また、乱切りにすることで、切り口の表面積が広くなりますので、調味料もしみこみやすく、
 加熱時間もやや短くなります。
 長ネギ、ごぼう、キュウリなど長いけど太さがあまり変わらないものは、
 ただ半回転させながら、斜め45度くらいに切っていけば良いので乱切りというよりも
 「回し切り」と表現されることの方が多いように思います。
 大根や人参のように細い所と太い所があるものは細い方から、45度に包丁を入れながら
 半回転させ、太い所になって45度では形を整えられなくなってきたら、縦に包丁を入れて
 乱切りをしやすくします。 更に太くなってまた縦に半分に切ってから45度に包丁を入れます。



「蛇腹切り」
 蛇腹は蛇の腹の模様ですが、そんなの見たことないですよね?
 長いものに横筋が入っていて、くねくねとのびたり縮んだりする形なのですが、
 まったく一緒と言えないまでも掃除機のホース、といえば、わかりやすいでしょうか?
 蛇腹切りの代表は、キュウリです。 蛇腹に切ることで、酢の物や添え物がキレイに見えますし、
 また、調味料の染みこみもよくなります。
 慣れない方にはキュウリの向こうと手前に菜ばしや割り箸を置いて、
 キュウリの厚みの半分くらいまで包丁を薄く入れていくと料理本には書いてある
 と思うのですが、それってとってもやり難い物なの。
 だって、包丁が箸に当たって、箸がくっついて来てしまう。
 だからね、桜甫流ではありますが、キュウリの蛇腹の作り方は丸秘テクニックにありますから、
 ちょっと桜甫流、やってみてみて、すっごく楽チンで、とってもキレイな蛇腹切りになりますよ!!


「小口切り」って「輪切り」違うの?
 違うと言えば違いますが、同じと言えば似ている切り方です。
 小口というのはものの端、先端の事を言います。
 ねぎやきゅうりなど、細長い野菜を端から切る事を「小口切り」と言います。
 でも、形は輪切りですね。
 一般的に輪切りはサツマイモ、ジャガイモ、ナスなど長くないものに使います。
 では、ズッキーニはどうでしょうね、長いけど細くないから輪切りでしょう。
 小口切りは切る厚みを一定にしなくてはいけませんが、一口大の大きさに切る時は
 「一口大のぶつ切り」というのが正解でしょうか。


「トマトの湯むき」
 トマトの皮を湯むきにするという下拵えの1つですが、
 お湯を沸かして切り目を入れたトマトを入れて、
 はじいた皮をむくという方法ですが、お湯を沸かすのが面倒でしょう?
 『桜甫の丸秘テクニック』の中にトマトの皮をむく方法を記載してありますから、
 ご参照いただければ、便利な方法でして頂けるのですが、
 要は薄皮の内側のペクチンがしっかりと実とくっつけているのです。
 そのペクチンに熱を加えることで、皮がはがれるという訳ですから、
 何もワザワザお湯の中に入れてトマトを半茹でにする必要はなく、
 ガス火にかざす方が温度が高いですから、皮がはじくのも早く、失敗なし。
 ですが、トマトの皮が気にならない方は是非、そのままお使い下さい。
 お客様に提供するお料理でしたら、皮で差し歯が取れたという人もいますから
 多少の心遣いは必要ですが、ご家族の食卓なら、奥歯でしっかりと噛む方が
 体に良かったりもします。



「魚の二枚おろし、三枚おろし」
 二枚おろしはお料理初めてさんがよく真っ二つに割ることのように
 勘違いをされますが、中骨を中心にして身と中骨の付いた身の2つに分けることを
 二枚おろしと言います。
 鯵の開きの一夜干しで連想出来るように、鯵の開きの頭を取り、
 背びれのつながりを切り離すと身と骨付きの身に別れますね。
 その二枚のことです。 下ろし方はまず、ぜいご(体側真ん中から尾ひれのあたりまで
 ついているトゲトゲのうろこを取り、頭を切り離し、内臓を抜いて水洗いします。
 丁寧にキッチンペーパーなどでおなかの中を拭き、背骨に包丁の先で切り目を入れ、
 その切り目に沿って中骨まで包丁を入れます。
 腹側にも同様に腹ヒレにそって切り目を入れ、その切り目に沿って中骨まで包丁を入れ、
 尾ヒレの手前から身に穴を開けて包丁を差込み、頭に向かって中骨の上に
 包丁を滑らしますと中骨付きの身と身の2枚おろしが出来ます。
 
 三枚おろしは中骨付きの身の背ビレに二枚おろしの時と同様に切れ目を入れてから
 中骨まで、腹側も同様にして尾ヒレの手前から頭に向かって同様に包丁を進めます。
 身と身と中骨で計3枚。 三枚おろしの完成で〜っす!



「こんにゃくの下拵え」
 こんにゃくはこんにゃく芋から作られ、凝固財に石灰が使われていますから、
 サッと水で洗っただけですとダメなのですが、最近ではアクを抜いて、
 サッと水洗いだけでも良いこんにゃくも出回っています。
 こんにゃく玉や板こんにゃくが白っぽい水に漬けられて、
 個別に売られているものの多くは石灰水に漬かっていますから、
 下茹でをした方が良いでしょう。
 下茹ですることで、石灰の臭いなどが取れますが、こんにゃくの表面の余分な水分も
 飛ばせますので、サラダや和え物に使われる時はひと手間でしょうが、
 下茹でをお勧めします。
 板こんにゃくを切る時に、石灰が使われているので、鉄の包丁で切ると
 鉄臭くなるといわれ、お湯のみなどで一口大に切ったものですが、
 最近では鉄の包丁というものが珍しいですね。
 ただ、お湯のみなど切れ味jのないもので切ると断面が凸凹になり、
 味がのりやすいので、こちらも昔ながらの手法をお勧めします。

「お豆腐の水切り」
お豆腐の水切りをしておきましょう、というと、パックの水を捨てただけのアシスタントがいました。
そうかぁ、そうよね、、、と今回の説明に登場です。
豆腐は木綿も絹も水をたくさん含んでいます。パックの水を切ることではなくて、
豆腐の中に潜んでいる水を切ることが「豆腐の水切り」です。
水を切らずに調理をすると水っぽくなったり、油がはねたり、味がしみこまなかったりと
いろいろな不都合がありますので、豆腐料理のほとんどに水切りは必須です。

お豆腐に重しを置いて水を切るのが昔のやり方ですが、今はレンジという
便利器具がありますから、手軽にするならこれが一番。
まず、お豆腐の容器の蓋になっているシールに切れ目を入れて、少しだけ水を捨てて、
レンジの温めモードまたはお好み温度60度で容器ごとお豆腐を温めます。
お豆腐の容器の下4隅を包丁で少し切り落として水を落ちるようにし、
丁寧にするには豆腐の粗熱が取れたらキッチンペーパーに包み、
崩して使うなら、そのままで豆腐の容器に戻して、
複数豆腐があるときは豆腐を入れた容器を上に重ねて、
途中で上下を変えるとキレイに水気を切ることが出来ます。
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