中山桜甫流食事療法とは

栄養学は西洋医学のような即効性がないと思われている方も多いと思います。勿論、日々の積み重ねが体を作るのですが、栄養学にも即効性のあるものがあるんです。これから少しずつ、そんな栄養学を更新していきますね。

まずは栄養状況が悪化すると何が起きるのか。 心身の発達低下、不定愁訴の増大、病気にかかりやすくなる、活動能力の低下、病気の回復が遅れ、合併症が出現しやすくなり、免疫力が低下、QOLの低下などによって、薬の効果が低下し、入院日数が増え、医療費などが増大する、というのが栄養学会だけでなく、医学界でも問題にされています。
栄養学は難しく考えられていますが、どうせ食べるならというスタンスで食べたいものに自分の体に必要なものを追加していけば良いのです。病気になって病院での食事指導を受けた患者さんが入退院を繰り返し、お医者様や管理栄養士の言う通りにしているのになぜ悪化するのかとか、病院から指導された食事では仕事も出来ない、体力が続かない、イライラして余計に食べたくなると、私の元を訪れます。
なぜでしょう? 今の多くの病院での食事指導は制限食だからではないでしょうか。塩分はダメ、脂肪分もカロリーもたんぱく質も、、、減らせ減らせと言われ、時として「お好きなのはわかりますが諦めて下さい」とまで言われたというのです。確かに減らさなくてはいけないのですが、減らすだけでは美味しく食べられません。病気を改善にしていくためにも制限をした食事に満足が出来なければいけないと思います。ところが、管理栄養士、栄養士の多くは調理に関しては家庭の主婦以下と言われている通り、学問的には素晴らしい知識をお持ちなのに治療をする、予防をする献立まで落とし込めないのです。誰にでも同じ指導をする形、いわゆる既製品の食事献立では食に対する不満が増大してしまいます。また、病気になると「逆療法という言葉もあるのだから、今日くらい食べちゃえば?1回くらいは大丈夫だよ」と、悪魔のささやきが聞こえて来る事があります。生活習慣病の多くは静かに深く進行して行きますから、1回の過ちではすぐにどこかが痛くなるわけではないので、な〜んだ、大丈夫じゃん!などと思った油断が2回になり、3回になり、、、時には家族の目を盗んでなどという事になる事も多いようです。
制限をしながらも満足の出来る食事こそが食事療法として、病気を持ちながらも元気に生きられる活力になるのではないでしょうか。患者さんの「食べたい」を形にすることが栄養士の仕事であり、私に必要とされている事だと思います。